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インプラントの寿命はどのくらいでしょうか?
日本には数十種類のインプラントがあり、各会社でデーターを作成しているのですが、インプラントを入れた際のいろいろな条件が異なるためはっきりしたことはわかっていないというのが現状です。当センターではインプラントトップメーカーの「ノーベル.バイオケア社」nobelbiocareのインプラントを使用していますが毎年のように形態や表面性状が変わります。インプラントは年々急速に進歩している分野でまだはっきりしないことが多いのです。一応考えられる要素を書きました。木に木ねじをねじ込む作業をイメージしていただくと解かり易いと思います。
- 歯根部(フィクスチャー)の要素としてはどれだけ長く太いインプラントを入れられるかです。インプラントは骨と結合するため、インプラントと骨の結合する表面積が寿命に関係すると考えられています。インプラントはなるべく長く太いものを入れたほうが長くもちます。インプラントと同じ長さと太さの歯が入ったと考えるとわかりやすいと思います。奥歯で短く細いインプラントしか入れられなかった場合、あまり長く持つとは思えません。
太さと長さでどちらを重要と考ええるかという問題ですが、太さより長さがより寿命に関係してくるようです。ほとんどのインプラント会社のデーターは同じ表面積なら太くて短いものより、細くて長いほうが有利なようです。木ねじを木に打ったときのはずれにくさから考えると長い方が、太くて短いものより有利と容易に想像できます。
ところが10mmと13mmのインプラントでほとんど変わらないとするデーターをだしてくる会社もありますし、実際のところよくわかっていないのが現状です。
ところでインプラントの知識に述べましたように「長い」インプラントを入れることが、特に奥歯では困難なことが多く、一番重要な要素が一番困難な要素なのです。 - インプラントを入れる顎の骨の硬さはある程度硬いほうが有利と考えられています。下アゴは5年以上機能しているインプラントが97%、10年以上では90%で、上アゴはこれより少し下まわります。下顎の骨のほうが上顎より硬いのでこの結果が出たと考えられます。
- 噛む力が弱いほうがインプラントは長持ちします。若い顎の力が強い男性にはかなりしっかりした(太くて長い)インプラントを入れる必要があります。
- インプラントを失う最も大きな原因は歯周炎です。インプラントは虫歯になりませんが、歯周炎(インプラント周囲炎)にかかります。歯周病は全身病とも深く関係しますが、最も大事なことはお口をいつも清潔にしておくことです。インプラントを長く保たせるためには、まずインプラントを入れる前にお口の状態を良くして、歯周病を治しておくほうが良いでしょう。それにはプラークコントロールなど患者さん自身の口腔衛生管理が大切になります。インプラントを入れたあとも必ず定期検査を受け、インプラント周囲粘膜(歯ぐき)の炎症の有無、噛み合わせのチェックなどを受けることが重要です。ご自身の歯と同様、貴方自身が生涯保たせようとする努力が大切です。















